すべてはビジョンありき

meleapには下記のビジョンがある。
vision2
創業時に、”どんな世界を作りたいのか”、”なぜ起業するのか”などを言葉に落とし込んだものがこれだ。
僕は金持ちになるためではなく、会社を大きくするためでもなく、世界を面白くするために起業をした。それを実現するために仲間を巻き込み、会社をやらせてもらっている。
それがブレないためにもビジョンを明確にしておくことは重要だと思う。常にビジョンを意識し、社内外に伝えていかなければいけない。
ここで改めて、ビジョンの必要性を整理してみた。

 

本当にやりたいことからブレないようにする

会社を経営していると様々な可能性に惑わされる時がある。
有り難いことに周りの人たちがいろんな意見をくれるのだが、言うことは人それぞれで本当にバラバラ。結局は自分で考えて決めるしかないのだが、これが非常に悩む。
例えば、最初のHADO開発時に僕が悩んだのは、ARデバイスのあり方。ゴーグル型にするか、銃+スコープ型にするか、スマホだけで動くようにするかなど、社外のアドバイザーから様々な意見をもらい、非常に悩み、社内でもかなり議論をした。ゴーグルタイプにすれば体感度は高くなるが、リーチできるユーザー数は圧倒的に少なくなる。一方でスマホだけで動くタイプのARを作れば世界数億人にリーチできるわけだけど、体感度の高いコンテンツは作れない。結局、ゴーグル型を選択したのだが、それが成功するかどうかはすぐにわからない。開発には1年以上かかったので、「成功するかどうがわからないけどやってみる」という状態で突き進むことになる。2〜3ヶ月で結論が出ることをしているのであれば、比較的決断はしやすいかもしれないけど、長期間潜る場合は悩ましくなる。
この時、自分の中で決断のきっかけとなったのは、ビジョンの「ヒザがガクガク震えるほどの面白さ」を作れるのかということ。今までのスマホARではヒザは震えない。だったらこれまでにない全く新しい体験を作るしかない。だから、可能な限り挑戦的な決断をした。
この他にも、高齢者向けのサービスにすれば大きい市場を取れるのではないかとか、教育に使ったらどうかとか、社外から意見をもらうことがよくある。これらの問いに関して悩むことはないけれど、もしビジョンが不明確な経営者であれば、その可能性を考え出すだろうと思う。その分、meleapは会社をデカくすることが目的ではなく、「世界を面白くする」ことが目的なのだから、やらないという決断ができる。もちろん「世界を面白くする」ために高齢者向けや教育マーケットも必要な時期はあるので、将来的に選択肢としては考えているが、今やるべき話ではない。
ビジョンからブレた決断をすると、「本来やりたいこと」と異なってくるのでモチベーションが下がる。「あれ、なんで俺こんなことやってるんだっけ?」となって仕事している意味がわからなくなる。

 

仲間との共通意識を持つ

また、会社は1人でやるものではなく、複数の人間が集まって回すため、ときに仲間との意識のズレが発生することがある。そんな時、決断の基準となるのは「ビジョンにあっているかどうか」ということ。ビジョン達成につながらないのであれば選択肢から外れる。逆に言えば、ビジョンに共感できない人はメンバーには入れられない。特に役員メンバーのビジョンシンクロ率は限りなく高い方が良い。

 

ビジョンは自分で考えた方が良い

ただ、会社が大きくなるにつれてビジョンの浸透が難しくなる。僕は前職がリクルートで、入社前から何度もビジョンやミッションを何度も聞かされたが、全く興味がなかったのですぐに忘れてしまった。ただ、配属先の部署でチームのビジョンを作った際には自分で考えてアイディアを出したのでとても共感しているし、今でも覚えている。
何を達成したいのか、どんな会社にしたいのか、メンバーそれぞれが自分の言葉で考える機会を作るのは非常に大事だと思う。他人から与えられたものは所詮、他人事。自分で考えるから本気になれる。”ビジョン”という言葉に捉われなくて良い。「なぜやるのか」という問いの答えであれば呼び方は何でも良い。

 

ビジョンはたくさんあっていい

ビジョンはたくさんあっていい。エンジニアチーム、営業チーム、採用チーム、それぞれの目指すものをそれぞれが考えれば良いと思う。事業ごとにビジョンは違うし、フェーズによっても異なる。大事なのはそれが明示化されているかどうか、それに皆が納得しているかどうかだ。互いに目指す方向が決まって入れば議論もスムーズだし、モチベーションコントロールもしやすい。複数のビジョンがあっても優先順位さえ決めていればいい。

 

ビジョンで人をワクワクさせろ

ビジョンが魅力的であれば人を巻き込むことができる。営業でも、採用でも、資金調達でも、まずはビジョンでワクワクさせられるかどうかが勝負。表現や切り口は相手に応じて変えればいい。そして同時に相手のビジョンも聞く。ビジョンが魅力的でない人たちとは一緒に仕事をしたくはない。

 

最後に

起業するなら、まずはビジョンありきだと思っている。
ビジネスモデルとか、他社との差別化とかはその次でいい。
ビジョンが明確でなければ何も進まない。最初うまくいったとしても途中で分裂する。
当然、ビジョンは変わっても良い。まずは考えてみること。そして「お前はビジョン達成のためにベストな行動が取れているのか」と毎日自分に言い聞かせるのだ。

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